東洋経済オンラインの記事「小学生時点の学力に影響を及ぼす『幼児教育の質』」(10月23日配信)にもあったが、無償化は教育の質を低下させる。
これはカナダのケベック州の20年の研究を待たずとも、考えればわかることである。タダより高いものはない。いいサービスにはそれに応じた対価を払う。それが払えない低所得者には支援をする。
学校教育にもっとお金をかけよ
日本は、学校教育への評価が低すぎる。学校側にも責任があるが、リソース不足、文科省などの書類仕事が多すぎて教育に時間を割けない、という問題もある。結果的に、日本はアジアでもっとも教育不熱心国となっている。教育には金をかける。政府も学校側に多様な人材を雇うための金、リソースの支援をする。教育をタダにするのではなく、金をかけても手に入らない良質な教育を提供する。
優れた義務教育を受け、学習意欲、好奇心、判断力が備わった子供たちは、将来、自分で必要なリスキリングを行う。これこそが中期の成長戦略にもなりうる。タイムスパンとしては長期になるが、長期でなければ、国家百年の計は意味がない。
(3)さらに進めるなら、2歳時からの義務教育化。オプトアウトあり。つまり、義務だが、別の代替的な教育手段を選んでもいい。こうすることにより、待機児童は存在しなくなる。幼児教育の充実にもなる。学童もこの新しい幼児教育学校、小中学校で必ずオファーすることにする。これで親世代も安心して働きに出ることができる。長期の労働力供給戦略にもなる。
(4)学校のスタッフの充実を図る。教育は人である。『窓ぎわのトットちゃん』(黒柳徹子著)に出てくるような小林校長先生が各学校にいることが必要である。また、教師も必要だし、学校のマネジメントを行う教員以外の充実も図る。このために、各都道府県にある国公立大学の教育学部を、教員のリスキリングの拠点にする。形式的な研修でなく、みっちりとした研鑽を積む。そのための教育学部の大学院も強化しないといけない。
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