被災地のソニー子会社が期間社員への賃金引き下げを撤回、年末の雇い止めも回避
ソニー労組に所属する小�洋さん(31)は「会社の提案を押し返すことができたのは大きな成果。雇用継続を求めて交渉を続けていく」と東洋経済新報社記者に語った。一方、ソニー側は「交渉継続のために暫定的な雇用契約を更新しているが、担当いただく業務のメドが立っていない状況に変わりはない」(ソニー広報センター)と説明。事態が依然として膠着していることには変わりない。
ただ、「絞る知恵はなくなった」と考えるのは早計かもしれない。ソニーと同じく多賀城市内に主力事業所を置く東邦アセチレン(東証2部上場)の藤井恒嗣社長は12月21日に多賀城市を訪れて菊池健次郎市長と懇談。そのなかで、被災した事業所の復旧に合わせて、多賀城市への本社機能の移転を検討していることを明らかにした。
ソニーは宮城県が1954年に誘致した企業の第1号。ソニーの中鉢良治副会長は、政府の「東日本大震災復興構想会議」のメンバーでもある。その中鉢氏は同会議で次のようなメモを提出している。
「被災地域の人々がふるさとで安定した生活を送るには、安定した収入が必要であり、持続的産業による雇用の確保が必要である」(第8回会合、6月4日)
震災発生から1年が近づく中で、ソニーは被災地の復興にどのようにかかわっていくのか--。知恵の絞り時であることは間違いない。
雇用継続を求めて団体交渉を続けるソニー子会社の期間社員たち(ソニー労働組合に所属)
※タイトル横写真:ソニー仙台テクノロジーセンター(宮城県多賀城市)
(岡田 広行 =東洋経済オンライン)
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