人気「ミックス犬」誕生の裏にある切なすぎる運命 「唯一無二の存在」と主張する人に言いたいこと

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■両親犬のそれぞれの遺伝性疾患を引き継ぐ可能性がある

純血犬種にはそれぞれなりやすいとされる遺伝性疾患があり、ミックス犬は両親それぞれの遺伝性疾患を複数引き継ぐ可能性があります。

実際、Orivet(遺伝子検査機関)によると、ラブラドゥードル(ラブラドール・レトリバー×スタンダード・プードル)は、遺伝性疾患を引き起こす29もの遺伝子、形質を引き継ぐ可能性があるとされています。

ミックス犬は健康だと思い込み、「親の遺伝子検査は必要ない」「片親の遺伝子検査をしてあればいい」と表記をしているペットショップやブリーダー紹介サイトなどがありますが、遺伝性疾患の予防はそんな簡単なものではありません。

■大きさの違う純血犬種同士の交配で骨格形成に問題

先日、埼玉県のペットショップでアラスカン・マラミュート(大型犬)とポメラニアン(小型犬)を交配した子犬が売られていることで、SNSで多くの批判的な意見が上がりました。

大型犬×小型犬の交配は、人工交配をしなければありえません。

極端な大きさの違いは、産まれる子犬の骨格形成に問題が生じる可能性が高くなります。何が起きてもおかしくないほどの体格差での交配は、厳に避けるべきです。

先天性疾患や障害を抱えるリスクも

■毛色の掛け合わせで障害を抱えるリスクがある

皮膚や毛色をつくる「メラノサイト(色素細胞)」は、胎児期の耳や目、副腎、神経系の形成に大きく関わっていて、この細胞に関連する遺伝子の異常は、ときに障害を引き起こすことがあります。

例えば、単色同士の「白×白」「黒×黒」、多色の「ブラウン×ブラウン」「アプリコット×アプリコット」など、同系色の交配がベストとされています。しかし、異なる毛色の掛け合わせによっては、視覚障害が起こる可能性があります。

また、持っている遺伝子が重なると、心臓疾患などの先天性疾患や障害を抱えるリスクが高まることもあります。

特にミックス犬の交配では毛色を十分に考慮していないことが多く、問題が発生しています。

■望んだ外見的特徴が出ない個体も生まれる

「個性的で可愛い子が産まれてくるだろう」と期待して交配しても、望んでいる外見的特徴が出るとは限りません。上顎と下顎のサイズが違う、歯並びがガタガタ、長毛と短毛が入り交じって生えている……など、さまざまなケースがあります。

このような販売できない容姿の個体を、産まれてすぐに首をひねるなどして命を奪う悪徳ブリーダーもいます。

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