「夜間頻尿」知っておきたい3つの"傾向と対策" 40歳以上の66.7%もの人が悩まされている

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ざっくり言うと1日の3分の1は寝ているので、抗利尿ホルモンの働きがなければ、夜に1日の3分の1に当たる量の尿が出ることになります。1日の尿量が1500mlなら夜に500ml出る計算ですが、そんなに出るなら睡眠中に1~2回は起きるでしょう。起きなくて済むのは、抗利尿ホルモンが出ているからです。

夜の尿量は、どれくらいでしょうか。夜、トイレに行くのであれば、そのときに出た量を測って、それを1日の尿量で割り算すると、「夜間尿量率」がわかります。これが33%以上あると、「夜間多尿」です。

実は、若いときには就寝中にたくさん分泌されていた「抗利尿ホルモン」も、加齢とともに減っていきます。そのため、夜に作られる尿量が増えるのです。この「抗利尿ホルモン分泌の低下」による夜間多尿が、夜間頻尿の原因になるわけです。

なお、就寝前の「水やアルコールの飲みすぎ」も、夜間多尿の原因になります。さらに「糖尿病、高血圧、心不全などの病気がある」ことも、原因の1つになります。

加齢で低下する、ふくらはぎの「ポンプ機能」

原因②下半身にたまった水分が、うまく排出されない

「足のむくみ」があるなら、それが夜間多尿につながっている可能性があります。本来、ふくらはぎには心臓と同じような"ポンプ作用"があります。ポンプ作用により、下半身の水分が上半身に戻され、水分は体内を循環するのです。

ところが運動不足や加齢で、ふくらはぎのポンプ機能が落ちることがあります。すると、体を起こしている昼間に、本来は尿として排出されるはずの水分が下半身にたまったままになります。そして夜、体を横たえると、たまった水分が上半身に戻ってくるため、心臓が「水分が余っている」と判断して、それが尿になってしまうのです。

特に出産した女性や妊娠中の女性は、リンパ液や血液の流れが悪くなるので、この現象が起きやすくなります。

原因③「睡眠時無呼吸症候群」の可能性

睡眠障害のなかで最も注意すべきは「睡眠時無呼吸症候群」です。ほうっておくと心不全、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、腎不全、ED(勃起障害)などの病気を誘発することもあります。実は、夜中に3~4回目が覚めてトイレに行くのは睡眠時無呼吸症候群の典型的な症状でもあります。

夜間頻尿は、ほうっておくとやっかいな症状ですが、ほとんどはよくなります。具体的な対策としては、水分のとりすぎを避け、水分摂取のタイミングを適切にすること、足のむくみを取ることなどの生活改善が有効です。

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