「夜間頻尿」知っておきたい3つの"傾向と対策" 40歳以上の66.7%もの人が悩まされている
末梢神経には「体性神経」と「自律神経」があります。自律神経は自動的(自律的)に機能している神経で、自分では動かせない不随意筋(平滑筋)を支配しています。その自律神経には、体を活動的にする「交感神経」と、体を休ませる「副交感神経」があります。
・排尿するとき…尿道括約筋が緩み、副交感神経が働いて膀胱が収縮します
・尿意を我慢するとき…尿道括約筋が収縮し、交感神経が働いて膀胱が弛緩します
悩む人が最多! 「夜間頻尿」の正体
数ある尿トラブルのなかで、最も悩んでいる人が多いのが「夜間頻尿」です。40歳以上の女性で62.1%(2580万人)、男性で71.4%(2640万人)、全体では66.7%もの人に夜間頻尿があるとされます(「日本排尿機能学会2023年疫学調査」より)。
「夜寝てから朝起きるまでに、トイレのために1回以上起きる」。これが「夜間頻尿」の定義です。ただし、起きる予定時刻の少し前に「トイレに行きたいと思って目覚め、トイレに行ったら寝床には戻らない」のは「1回」に数えません。トイレの後でまた眠ったときを「1回」と数えます。
「1回起きるだけ」なら、それほど困らない人が多いかもしれません。実際、あまり心配しなくてもいいと思います。困るのは、2回、3回、それ以上起きる場合です。なぜなら、夜間頻尿は睡眠の質を落とすので、昼間の活動に影響が出るからです。日常生活に影響することが、夜間頻尿の最も大きな問題です。
睡眠には「深い眠り(ノンレム睡眠)」と「浅い眠り(レム睡眠)」の2種類の状態があります。ノンレム睡眠とレム睡眠は交互に現れるもので、7時間眠るとしたら、ひと晩の眠りのなかでノンレム・レムのサイクルが4~5回くり返されます。
最低3時間は眠らないと、1サイクルは回りません。トイレのために何度も起きる人は1サイクルを確保できないので、睡眠の質が落ち、寝不足状態になるのです。
夜間頻尿に悩む人の数が多いのは、原因が2つも3つも重なりがちだからです。主な原因は、次のようなことです。
本来なら夜間の尿量は、日中の尿量に比べると極端に少ないのです。睡眠中には「抗利尿ホルモン」という「尿を作らせない物質」が分泌されて、腎臓から出る水分量が抑制されるからです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら