「"自死遺族"の苦しみ」24歳アイドル、告白の真相 椿野ゆうこさん物語(後編)

✎ 1〜 ✎ 51 ✎ 52 ✎ 53 ✎ 54
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

そしてもうひとつ、椿野には亡き父との約束があった。

それが気象予報士試験に合格するということである。

はじめにアイドルになるとオーディションを受けたときは反対していたが、その後はずっと応援してくれていた。そして、誰よりも気象予報士になることを応援してくれていた。

そんな父に合格の報告を果たせないまま旅立たれてしまった。

だからこそ、なんとしても気象予報士になりたかった。

アイドルの武器としてというのはもちろんあるが、それ以上に父との約束を果たしたかった。

「アイドル」と「受験勉強」は絶対に両立させたかった

その日から2年間、椿野はあらゆる隙間時間を見つけては気象予報士試験勉強を行った。

「アイドルと受験勉強は絶対に両立させたかったので、早起きしたり、空き時間を見つけては勉強していました。移動の電車の中はもちろん、楽屋にもプリントを持ち込んで勉強していましたね」

ライブ前の楽屋では、メンバーがテーブルを譲ってくれるなど協力してくれていた。そして気になる勉強法はとにかく過去問を解くことだった。

「基礎的なことは大学で学んでいるので、とにかく過去問を何度も何度も問いていました。どんなに忙しくても毎日勉強すると決めて、できるときは10時間以上やっていましたね」

普通にライブアイドルとして日々のライブをこなすだけでも大変なのに、さらに勉強を続けるのがいかにすごいことであるのか、なかなか形容しがたいが、とにかくコツコツと過去問を解き続けた。

朝、気象予報士として活動した後、夜はアイドルとしてライブを行っている(写真提供:ノースサウンド)
次ページ最初の受験で一般知識に合格し⋯⋯
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事