「それまでは言わずにいたんですけど、私のファンの方に同じ境遇の方がいて、『自分が発信することで同じ立場の方々が少しでも救われることがあるといいな』と思って投稿しました」
この事実を明かしたのは、ライブに来てくれるファンが自死遺族としてツラい思いをしているのを知り、少しでも力になれればということがきっかけだった。
なぜならその痛みやツラさを椿野自身が本当によくわかっていたからだ。
ブログやSNSで同じ境遇の投稿を見つけては読み、共感し、そのツラさを紛らわせ、元気づけられていた。
「もともとアイドルをはじめたきっかけも、自分がツラいときに元気づけられていましたし、自分も誰かに力を与えられるようになりたいと思ったのがスタートなので、少しでも自死遺族の方々の力になりたいと思っていました」
アイドルだからこその発信。誰かに力を与えられる存在になる。言うのは簡単だがなかなかできることではない。
この投稿で椿野自身も気持ちの整理がつき、いい意味で大人になれた気がしたという。
「2週間で復帰する」と決めていた
椿野が自死遺族となったのは2022年。
それから2年間、椿野自身もこのツラさと戦い、乗り越えねばならなかった。
「それまで多少体調が悪くてもステージだけは休むことはなかったのですが、父が亡くなりはじめて2週間お休みをいただきました。でも2週間で絶対に戻ると決めていました」
まさにプロのアイドル根性ともいうべき姿勢だ。
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