中野 中国経済は成長率何パーセントという以前に、もうマイナスじゃないですか。
渋澤 輸入が随分と落ち込んでいるみたいですしね。
中野 輸入は前年比でマイナス8%とか言っていますから、もうその時点で7%という経済成長率は達成できないはずです。電力消費量も貨物輸送量もマイナスです。内需が伸びないなかで輸出が落ち込んでいる。このままだとマイナス成長に落ち込んでしまうから、せめて輸出は伸ばしていきたい。経済が弱まれば通貨が安くなるのは当然ですから、人民元の切り下げは、ロジックとしては理解できます。
今回の株安は「アベノミクスの失敗」ではない
藤野 だから、今回の株安については、アベノミクスが失敗しているという話ではありません。まあ、とはいえこういう状況になると、弱気派エコノミストの発言が注目を集めて、世の中の不安を煽ることにもなるのですが。大事なことは真実をしっかり見つめることです。
中野 ファンダメンタルズを見れば、日本はとても良いでしょ。
藤野 一番、良いくらいですよ。
渋澤 業績もかなり伸びていますしね。
中野 だから、市場の混乱と言っても良いのではないでしょうか。
渋澤 市場を見るか、価値を見るか。あとは短期的に捉えるか、長期的に捉えるかということでしょう。景気やマーケットは上がり下がりのリズムがあるし、これまで3年間も上昇してきたわけですから、調整があってもおかしくないと思います。
個人投資家だったら、こういう局面は淡々と積み立てていけば良いのではないでしょうか。成長に対してね。いずれにしても夏場から秋口にかけては、米国の利上げの可能性や郵政3銘柄の上場、中国の成長率低下などを材料にして、マーケットはお休みじゃないかという見方をしていたので、ものすごくびっくりするような下げではなかったと思います。
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