上場で注目、東京メトロ「2つの新路線」の現在 有楽町線と南北線の「延伸」は何をもたらすか

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有楽町線延伸と南北線延伸、どちらも2030年代の開業を目指す新線だが、これまでの検討や計画の経緯は異なる。

南北線の延伸は、2010年代以降に都が中心となって推進してきた比較的新しい計画だ。同線は、六本木など都心部とリニア中央新幹線の駅整備や再開発が進む品川駅を結ぶ「都心部・品川地下鉄」として、2015年に都がまとめた鉄道整備計画で浮上。翌2016年に、国の交通政策審議会による今後の東京圏の鉄道整備指針を示す答申に盛り込まれた。

同答申の時点では「検討熟度が低く構想段階」とされていたが、その後事業性の検討が進み、2021年には「早期の事業化を図るべき」とされるまでランクアップした。都が推しているだけあり、早期に事業化へ向けて動いた路線といえる。

東京メトロ新線路線概略図

半世紀以上前から続く計画

一方、有楽町線の延伸計画は半世紀以上前にさかのぼる。まだ有楽町線そのものが開業していなかった1972年、東京周辺の鉄道網の整備に関する答申に豊洲から亀有への分岐線計画が盛り込まれたのが最初の動きだ。同線は、地元の江東区が整備を求め続けてきた。

1982年には当時の営団地下鉄が豊洲―亀有間の路線免許を申請。この際は認可されなかったが、1985年と2000年に取りまとめられた鉄道網に関する答申にも引き続き整備方針が盛り込まれた。1988年に開業した有楽町線の豊洲駅、2003年に開業した半蔵門線の住吉駅も、この延伸線を考慮して造られている。

だが、計画が具体化することはなく、さらに2004年に東京メトロが発足すると、同社は当時建設が進んでいた副都心線(2008年開業)を最後に、新路線の整備は行わない方針を示した。

先行きが不透明になる一方、江東区は2007年度から、豊洲―住吉間の延伸について独自に調査を実施。路線の建設や保有を区などが出資する第三セクターが担い、運行を東京メトロが行う上下分離方式での整備について検討したほか、2010年度には建設基金の積み立ても開始した。

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