本当にできる?小田急多摩線「相模原延伸」の現状 採算性に課題、2027年度までは動きなしか
多摩ニュータウンと東京都心を結ぶ足の1つ、小田急電鉄多摩線。小田急小田原線の新百合ヶ丘駅(神奈川県川崎市)から分岐する約10.6kmの路線だ。かつては同線内だけを往復する電車がほとんどだったが、2000年代以降は都心直通列車を増やすなどテコ入れを図り、現在は新宿への快速急行が走る路線に成長した。
同線の終点は、その名の通り多摩ニュータウンの中心である小田急多摩センター駅から1つ先の唐木田(からきだ)駅(東京都多摩市)。線路は駅の先に広がる車両基地へとつながっているが、その先、東京都町田市内を通ってJR横浜線の相模原駅やJR相模線の上溝駅(ともに神奈川県相模原市)、さらには厚木方面まで延ばそうという計画がある。
歴史は長い延伸構想
多摩線の唐木田―相模原―上溝間延伸は、2016年に国交相の諮問機関、交通政策審議会がまとめた東京圏の鉄道整備に関する答申で「地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクト」とされた新路線の1つだ。
延伸を求めているのは地元自治体などだ。沿線の相模原市や町田市などによる「小田急多摩線延伸に関する関係者会議」は2019年5月、同区間延伸の採算性や整備効果などの調査検討結果をまとめた報告書を公表。これを踏まえ、「事業化に向けたさらなる検討を行っていく」とされたが、その後の動きは見えてこない。多摩線延伸とはどのような構想で、現状はどうなっているのだろうか。
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