上場で注目、東京メトロ「2つの新路線」の現在 有楽町線と南北線の「延伸」は何をもたらすか
帝都高速度交通営団、通称「営団地下鉄」の民営化により、東京メトロ(東京地下鉄)が発足したのは2004年4月のことだった。それから20年を経て、10月23日に同社は東京証券取引所プライム市場に上場。国が53.42%、東京都が46.58%を保有する株式の半分を売却する。
売り出し価格は1株あたり1200円で、上場時の時価総額は6972億円。久々の大型上場とあって注目を集めるとともに、東京の地下鉄の歴史においても大きな節目といえる。
この上場に深く関係しているのが、東京メトロが整備を進める2つの新線、有楽町線の延伸と南北線の延伸だ。工事に向けた手続きは済んでおり、近く着手することになるとみられる。
2030年代半ばの開業目指す
有楽町線の延伸は、同線の豊洲駅から分岐して東西線の東陽町駅を経由し、半蔵門線・都営新宿線の住吉駅(いずれも江東区)に至る4.8kmを整備する計画。南北線の延伸は、同線の白金高輪駅から分岐して品川駅(ともに港区)に至る2.5kmだ。
両線は、2021年7月に国の交通政策審議会がまとめた東京の地下鉄のあり方に関する答申で、東京メトロを事業主体として早期の事業化を図るべきとされた路線だ。
同答申では、国と都の思惑の違いからなかなか進展が見られなかった東京メトロの上場についても方向性が示され、これを契機に新線建設と上場という2つの大きな課題が具体的に動き出した。
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