「誰にでも似合う服」年160%伸びるアパレルの正体 女性たちに熱烈支持される服はいかにして生まれたか

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--息子さんのご病気は、キャリアのみならず、夫婦・家族関係までも転換させたんですね。

もちろん大変ではありましたけど、多くの気づきと前向きな変化をもたらしてくれました。私の仕事におけるソース・オブ・エナジーにもなっていたのかなと。

キャリアに迷ったら自分を突き動かす熱源を探してみる

--ソース・オブ・エナジーですか?

人間の中の熱源のことです。この言葉自体は、小野壮彦さんが『人を選ぶ技術』の中で使っていらっしゃいますが、私の中でも最近、とても大切に感じられているキーワードなんです。

 私、仕事をしていく上で、キャリアを紡いでいく上で、最も大事なのは、この熱源ではないかと思っているんです。自分を突き動かしてくれる熱源が何なのかに気づいていれば、そこから現れてくる行動も束ねられる。一見、バラけているように見えても、実は一貫していると思うんですよ。

--なるほど。

それこそ、熱源を確かめると、キャリアの轍が見えてくるのかなと。だから、先のことは分からなくとも、その時々、どんな熱源が自分を突き動かしているのかを確かめてみると良いのかなと思います。

何かしら迷いごとが出てきた時、なかなか動き出せない時に、この熱源に立ち返っていると、自分がやるべきこと、今打つべき最善だと思われる策が見えてくるような気がします。

--迷った時は、熱源を見つめ直して、それに従ってみる。

そうですね。今思えば、起業するまでは、“怒り”がソース・オブ・エナジーでした。当時の私の怒りの対象というのは、夫とか特定の誰かに対しての怒りではなく、思うように働けない環境に対しての怒りでした。

私は仕事が理屈抜きで大好きで、仕事のない人生は考えられなかった。それなのに、なぜ、思うように働けないのかという思いは、次第に強い怒りになっていたんです。でも、それは同時に自分の熱源でもあったなと。

 この状況をどうにかしたいという思いがエネルギーとなって試行錯誤していたし、この課題としっかり向き合って解決できたら、それはいつか誰かの役にも立つはずだと信じていました。

--後に、起業して立ち上げられたモデラートという会社は、週3、4回勤務の社員も在籍するなど、働く女性たちにとっても働きやすい会社だとお聞きします。おっしゃる通りになりましたね。

まだまだです。そこについては、これからも最善を尽くしたいなと思っています。

--ソース・オブ・エナジーとは、魅力的で建設的な考え方です。

私にはしっくりきます。ソース・オブ・エナジーは人生の折々で、どんどん変わっていっていいと思うんです。ちなみに、今の私のソース・オブ・エナジーは、“やらされ感ゼロ”の経営。

何事もやらされている状態ではなく、やりたくてやっているというところに持っていけたら楽しいですし、強いですよね。

そう考えると、経営という仕事は自分で決めて、責任とって、前に進んでいけますから。この働き方は、今の私にとって理想的なのかもしれません。                         

後編:「女性ファン急増、アパレルSOÉJUはなぜ強いのか」に続く)

芳麗さんによる連載13回目です
芳麗 文筆家、インタビュアー

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よしれい / Yoshirei

NHK山形放送局のキャスター業を経て文筆業に。女性の生き方をメインテーマに、雑誌、書籍、Webなど数多くの媒体で執筆。人物を掘り下げたロングインタビューを数多く手がけるほか、恋と愛、生活、カルチャーなどにまつわるコラムも好評。著書に『3000人にインタビューして気づいた! 相手も自分も気持ちよくなる秘訣』(すばる舎)、『ラブ・リノベーション』(主婦の友社)など。音声番組Voicy「芳麗の女と文化の話café」では、本連載に登場した方々とのリラックストークも。日々の生活や取材活動から、生きづらい時代を“幸せに生きるヒント”を多面的に探究して発信中。HPはこちら

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