連続強盗「狙われた4つのエリア」に"闇名簿"の存在 資産家だけでなく、どの家庭にも危険が迫っている
約20km四方のエリア内で、2週間に4件も、住宅を狙った同じような強盗事件が起きていることになる。この4つの事件を結ぶ四角いエリアは、なぜ狙われたのか。
事件の特徴を探してみると、「高齢者」「自宅に現金があった」「一軒家を標的にした」といった点が見つかる。事件の起きたエリアは、実際に歩いてみるとわかるのだが、駅前の限られた場所を除けば、一軒家が多く、比較的高齢の人が多い。
一軒家に対し、空き巣ではなく、あえて在宅時間帯を狙ったのは、住民を脅してタンス預金を手間なく入手できるからであろう。
マンションと違って戸建ては上下左右に他の住民がいないことから犯行に及びやすく、戸建てを狙ったことも計画の一部だったと考えてよさそうだ。下見したうえで、こうした計画を立てやすい地域が狙われたと言える。
個人情報を握られてしまう「闇バイト」
さて、一連の強盗事件は、先述の逮捕された男の供述からも、いずれも実行犯が何者かからスマートフォンで指示を受けて犯行に及んだ「闇バイト」の可能性が高い。また、標的を選ぶ際には「闇名簿」が使用されているとみられる。
「闇バイト」は、SNSなどで「高額バイト」などをうたって実行犯を集め、強盗などの犯罪を実行させる、ネット社会の「闇」である。
闇バイトの存在が知られ出した当初は、募集で「タタキ(強盗の隠語)」などの直接的な表現が使われていて、重犯罪に加担してでもお金が欲しいという人が集まっていた。
しかし、世間の注目を浴びるに従い、言い表し方も変遷していて、「人やモノを運ぶだけ」「ホワイト案件」などの当たり障りのない言葉を選ぶなど、悪質化している。
闇バイトにはいくつかの特徴がある。
まず、連絡手段として、アメリカのシグナルやロシアのテレグラムなど、秘匿性の高いメッセージングアプリが指定されることだ。
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