AIが解析「石破首相のアンチ」実は増えていない説 ネットでは不人気の石破氏だが、本当のところは?

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総裁選前後の収集コメントを比較すると、もう一つ興味深いことがわかりました。

今回収集した総裁選後のコメントを書き込んだ人のうち、約20%の人が総裁選前にも発言していたのですが、そのスタンスに変化が見られるのです。

石破氏への「アンチコメ」が増えた理由

スタンスの変化を集計した結果が、以下の図になります。

スタンスの変化
(筆者作成)

最も重要なポイントは、総裁選前には「高市氏肯定層」が圧倒的に多数を占めていたのですが、総裁選後にはそのうち半分以上が高市氏以外への否定的なスタンスを前面に出すように変化していたことです。

特に「石破氏否定」の意見が増えていることが目立ちます

これは、高市氏を強く支持している人たちの多くが、総裁選の結果を受けて、石破氏の勝利に強く反発し、その不満を石破氏や、彼を選んだ自民党全体に向けた可能性があります。

高市氏への肯定的なコメントよりも、石破氏ひいては自民党に対して否定的なコメントをするようになったということでしょう。

それが、一見、高市氏への肯定コメントが減ったように感じ、石破氏のアンチが増えたように見えるのです。

それゆえ、今回のデータで確認された石破氏や自民党に関する否定的な意見も、選挙前に活発だった高市氏肯定層からのコメントが流れたと言えるでしょう。つまり、石破氏アンチの母数が増えたわけではないかもしれないということです。

これにより、ネット上の石破氏へのアンチコメントを安易に世論ととらえてしまうのは危険かもしれません。

福馬 智生 株式会社TDAI Lab 代表取締役社⻑、工学博士

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ふくま ともき / Tomoki Fukuma

株式会社TDAI Lab 代表取締役社⻑。2021年に東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻にて博士号(工学)を取得。専門分野は計算社会科学、AIの信頼性・バイアスに関わる問題の解決。2016年に東京大学鳥海研究室発AIベンチャーとしてTDAI Labを設立。最先端AI技術を活用した研究技術開発や企業への導入支援を行う。著書に『世界一カンタンで実戦的な文系のための人工知能の教科書』(ソシム)。特技は競技ダンスで、2015年に全日本学生競技ダンス選手権で個人団体ともに全国優勝。2016年から2024年現在も子育てと経営のかたわら全日本代表選手を兼任する。

X(旧ツイッター):@fukuma_tomoki

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