「パレスチナ紛争」前に取られた"ユダヤ人の奇策" 混沌化する「中東情勢」、問題の源流を読み解く

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国際連合がユダヤ人のパレスチナ創設の決定を行なったその夜、これらの箱はすでに目的地に到着していた。ずっとまえからキブーツに秘匿され、開かれてその富をひきわたす日を待っていたのである。しかし安全を考えてハガナの指導者たちは、最後の英兵が撤退するまではその匿し場に眠らせておくことに決めていた。

ボルトも座金も失われなかった

[新版] おおエルサレム! アラブ・イスラエル紛争の源流 上
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ダヴィド・ベン・グリオンがエフド・アヴリエルをヨオロッパに送ったのは、その中間期においてユダヤ人が絶望的に必要とするはずの武器、弾薬を、見つけ出すためである。

最後の機械が復原され据えつけられたとき、ハイーム・スラヴィーヌは歴史上もっとも難解な工学のパズルを首尾よく解いたことを、誇ってよかったろう。

黒人街からイスラエルのキブーツに送られた7万5000点の部品のうち、1つのボルトも、1つの座金も失われてはいなかった。

ラリー・コリンズ ジャーナリスト

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Larry Collins

1929年、アメリカ・コネティカット州生まれ。イェール大学を卒業後、UPI中東特派員として4年間パレスチナに滞在する。その後、ニューズウィーク誌のパリ支局長として世界各地で活躍。54年、ラピエールと知り合い意気投合。1965年に『パリは燃えているか?』を発表し、世界中で話題となる。同書につづきラピエールとの共著で発表したノンフィクション『さもなくば喪服を』『今夜、自由を』もベストセラーとなった。2005年没。

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ドミニク・ラピエール ジャーナリスト

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Dominique Lapierre

1931年、フランス生まれ。パリ・マッチ誌の特派員として活躍し、ニューヨーク、リオ・デ・ジャネイロ、モスクワなどを取材のために飛び回る。熱心な慈善家としても知られ、81年にはインドに子どものための人道支援団体を設立、スラム街のハンセン病患者の救済に尽力した。2022年没。

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