この15年で「増えた仕事」「減った仕事」は何か もっとも増えたのが介護職員、減ったのは?
ほかに減少幅の大きさで目立ったのは、会計事務従事者。15年間で100万人以上が減少した。
米国の経済学者であるエリック・ブリニョルフソン氏とアンドリュー・マカフィー氏が書いた『機械との競争』では、人間の仕事がコンピュータに取って替わられる実態が問題提起されたが、会計事務従事者の減少の背景にも、会計ソフトウェアの普及などテクノロジーの発展がありそうだ。
土木や大工、測量、建築関連の作業員や技術者も、1995~2010年にかけて大きく数を減らした。目下、アベノミクス効果で土木・建設の需要は急増し、人手不足が深刻化しているが、直近の就業人口の減少がその一因といえそうだ。
また電機業界においても、国際競争力の低下、海外への生産移転を背景に、業務用機械器具、電気機械器具の組み立て従事者が減少している。
さらに印刷・製本従事者も16万人減少。印刷業界は市場規模がピークの1991年には8.9兆円だったが、2013年には5.5兆円にまで縮小している。
原稿の文字入力、写真の色分解など、かつて印刷会社の作業員が手掛けていた仕事は、コンピュータに取って替わられて久しい。さらにデジタル化によって出版印刷物そのものの減少が続いていることで、同業界の仕事の縮小に拍車をかけた。
製造業の就業比率は24%から16%へ
『業界地図2016年版』では、こうした「増えた仕事vs.減った仕事」のランキングに加え、大きく産業別に分けた人口変遷も掲載した。自動車から流通、生活・公共サービスまで、計168の業界の勢力図をマッピングすることで最新の仕事のトレンドが浮かび上がる。
それによると、1990年に就業人口の約24%を占めていた製造業は、2010年には約16%にまで縮小。7%だった農林漁業は4%に減少している。一方で1990年に約23%だったサービス業は、2010年には約34%にまで伸びた。職業別、業界別の就業人口の変遷の背景には、産業ごとの栄枯盛衰の物語があるのだ。
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