日本の社長「任期短い」「独裁防止でいい」正解は? 会社の「長期の成長」には、いったい何が必要?

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一方、このような反論があるかもしれない。

「でも、トップの任期を無制限にすると、やがて独裁化するのではないか」という懸念だ。

その通りだ。

だからこそ、コーポレートガバナンス(企業統治)改革が重要になるのである。

「やがて独裁化する」懸念の解決法

昨今注目のコーポレートガバナンスだが、私の理解では、その最大の要諦は「業績を上げられず、『知の探索』もできないトップを、社外取締役が解任すること」である。

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社外取締役の最大の仕事は、社長・CEOの選解任だ。だからこそ社外取締役は、数だけでなく、質が重要なのだ。

「知の探索」ができる社長なら、どんどん応援し、長期で政権を任せる

他方、業績がどうしても上がらず、「知の探索」もセンスメイキングもできないなら、その社長を思い切って解任する。

この胆力が、社外取締役に求められているのだ。

この意味で、本連載では「企業の宗教化」が重要と述べているが、ただ宗教団体の真似をすればいいのではない

ガバナンスを徹底化することで、現代的な「規律のとれた宗教」を目指すべきなのである。

入山 章栄 早稲田大学ビジネススクール教授

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いりやま あきえ / Akie Iriyama

1972年東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業、同大学大学院経済学研究科修士課程修了。三菱総合研究所で主に自動車メーカーや国内外政府機関へのコンサルティング業務に従事した後、2008年にピッツバーグ大学経営大学院よりPh.D.を取得。ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクールのアシスタントプロフェッサーを経て、2019年より現職。専門は経営戦略論、国際経営論。著書に『世界標準の経営理論』などがある。

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