「りくろーおじさん」大阪名物が歩んだ40年の歴史 ホールでも965円!お手軽さと、強いこだわり

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そして1984年、北加賀屋店開店時に開発した焼きたてチーズケーキの焼印として、陸郎氏の顔をイメージした「りくろーマーク」が誕生。催事出店時に、「りくろーおじさんの店」という屋号を名乗りはじめたのだという。

りくろーおじさんの店
1956年、大阪市内に創業した和洋菓子の卸問屋(写真:リクロー提供)

1989年、「りくろーおじさんの店」としてなんば本店を開設すると、チーズケーキブームも手伝って、焼きたてチーズケーキが大ヒット。ここから行列の歴史がはじまった。

レシピは、その当時からほとんど変えていないという。陸郎氏がこだわったのは前述のやわらかさに加えて、「チーズ嫌いな人でも食べられるチーズケーキ」だった。驚くことに陸郎氏、チーズがあまり好きではなかったそうなのだ。

そのため、「チーズの匂いが出すぎないチーズケーキ」を目指して試行錯誤し、当時は珍しかったデンマーク産のクリームチーズに行き着く。これと牛乳を合わせることで、現在のチーズケーキの味が完成したのだ。ちょっと甘さが控えめなのは、「毎日食べてもらえるケーキにしたい」という思いからだという。

りくろーマーク
トレードマークとなっている、コック帽子の「りくろーマーク」は包装箱にも(写真:筆者撮影)

「レーズンなし」を1年で販売終了していた

創業からほぼ変えていないチーズケーキのレシピ。だが過去に1度だけ変えたことがある。そして、その陰には、関西人なら誰もが知っている(?)言い争いがある。

説明しよう。りくろーのチーズケーキの底には、味わいのアクセントにとレーズンがちりばめられている。それが、「あり派」と「なし派」の真っ二つに分かれるのだ。このため、りくろーでは約1年間、「レーズンなしチーズケーキ」を販売していた時期があるそうだ。

リクローのチーズケーキ
底にちりばめられたレーズン。「あり派」「なし派」で盛り上がることでおなじみだ(写真:リクロー提供)
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