ジャニの常識覆す「タイプロ」異例ヒットの背景 「ジャニーズなき世界」で前代未聞オーディションの全容

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当然、歌やダンスがうまい青年たちは、数ある選択肢の中から、自分の活躍する場所を選ぶことになる。だが、その際に“どこでもいい”と思っている人たちを振り落としにかかっているのではないかとすら思う場面だった。

他にも、オーディションの裏側に密着した『timelesz Behind The Audition』では、間違えて、課題曲ではないtimeleszの曲を覚えてきてしまったという候補者に、他の課題曲は歌えないか問う場面があった。

実は2次審査の課題曲は、timeleszの楽曲ではない。

SMAP、KinKi Kids、嵐、V6、NEWSからSnow Manに至るまで歴代のジャニーズ事務所のグループの楽曲が揃っている。課題曲のチョイスにも3人の事務所グループへの想いの強さが感じられる。結局、その候補者はそれらの楽曲を歌えないということで、その場面は終わっていた。

timeleszでないと駄目だという強い想いを持った人。ひいては、彼らを生み出した事務所全体への思い入れを強く持った人。そんな人を求めているように感じた。

timelesz
このオーディションに懸ける想いを語った菊池風磨(画像:timelesz公式YouTubeより)

彼らが候補者に求めるもの

そんな、ジャニーズの知識を問うようなことをしても、と思う人もいるかもしれない。だが、やろうと思えば、ゼロからでも知ることはできる。

佐藤勝利は14歳で仕事を始めた頃、その時点で出ていた事務所の先輩たちのアルバムをレンタルショップに行っては借り続け、「たぶん全部」聞いたという。その理由を「まずは、知らないことが失礼だと思ったんです。それまでゼロだったから必死だった」と述べている。(『TVガイドPERSON』 vol.136)。

事務所に入ったのに、先輩のことを知らないのは失礼だと考え、楽曲を通して少しでも彼らに近づこうとする。それも、佐藤がしてきた「努力」であり「誠実さ」の表れだろう。

つまり、彼らが候補者に求めるものは、実は彼らが努力によって身につけてきたものだと捉えることもできる。

今後の輝きに繋がっていくような「想いの強さ」はあるのか。自分たちや事務所全体に対してナメたりせずに真摯に向き合う「誠実さ」はあるのか。それを彼らが相手に問えるのは、自分たちにそれを会得してきた経験があるからこそだろう。

もちろん企画自体は新しいが、そこで彼らが仲間に加える基準として挙げるものは、旧事務所から変わらないものであり、3人が、ひいては旧事務所の所属者たち皆が持ち合わせてきたものなのである。

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