富士山「入山規制はまだ甘かった」ことが明白に 2024年は一定の効果も規制強化の方向へ

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一方、富士吉田市が発表した今シーズン(7月1日から9月10日)の登山者数(吉田ルート)は13万2904人で、前年の16万0449人に比べ17.2%も減少。世界文化遺産登録(平成25年)以降、コロナ期間を除くと、最も少ない登山者数となった。

山小屋関係者らによると、8月中旬までに吉田ルートを登った登山者のうち、弾丸登山者が多かった午後9時から11時台の登山者は前年同期比で9割以上減少した。例年だと山小屋前で寝てからご来光を見に向かう外国人の姿が目に付いたが、今年は激減したという。

2024年はピーク時の6割に

この結果をどう捉えたらいいのか。富士山登山者数のこれまでの推移を見てみると、2010年の32万0975人が最多で、コロナ前の2019年は23万5646人だった。コロナ禍中の2021年は7万8548人まで落ち込んだが、以降は16万0145人(2022年)、22万1322人(2023年)、19万9604人(2024年)となっている。

全体の登山者数を見るとピークだった2010年の32万人と比べ、2024年は約6割の水準にまで減少している。これだけだと、オーバーツーリズムはずいぶん解消されてきたという感じもしなくはない。

しかし、徹底した入山規制を行っている外国の山と比べると、印象はまったく異なってくる。たとえば台湾の最高峰・玉山(ぎょくさん・現地読みユイシャン=3952メートル)は、日帰り登山は1日60人、2つある山小屋の定員は140人で、入山者は合計200人程度に規制されている。

このうち排雲山荘の宿泊人数は116人で、外国人枠は24人。外国人枠の予約は4カ月前から35日前で、35日前には枠が確定する。これに漏れると、台湾人を含めた申込者全体で枠を争うことになる。

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