「アメリカ大統領選討論会」を若者たちが見た本音 ニューヨーカーたちとバーで討論会を見てみた

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ほかの質問についても形勢が悪くなると、バイデン・ハリス政権が中南米からの不法移民をオープンに受け入れ、何百万人もの犯罪人やテロリストがアメリカを破壊し、犯罪率も増加していると主張した。アンカーは即座に「犯罪率は事実、下がっている」と指摘した。

トランプ氏にとっては、前回のクリントン氏に続き2人目の女性大統領候補となるが、2016年のヒラリー・クリントン元国務長官との討論会でとった行動は、今でも語り草となっている。

クリントン氏が観客からの質問に答えている間、トランプ氏は、自分の演台を離れてクリントン氏の後方に回り、睨み付けながら徘徊した。クリントン氏が話しながらステージ上を歩くと、トランプ氏は彼女のすぐ後ろを歩き回ったり、真横から顔をじっと見たりした。

その威圧的な行動を「セクハラ」ととらえて、多くの女性視聴者が嫌悪感を示した。クリントン氏も後に回顧録で「非常に不快だった。鳥肌が立った」と書いている。

どの調査でも僅差の戦いになっている

今回も、トランプ氏は身長が192センチなのに対し、ハリス氏は164センチとアメリカ人では小柄なほう。過去には男性の大統領候補が身長を高く見せるために討論会で演台の後ろに箱をおいたことがあった。しかし、トランプ氏はSNSで「討論会で箱などの使用は認められないだろう。不正の一種だ」と牽制までしている。

アメリカの『ニューヨーク・タイムズ』紙とシエナ大学が実施した討論会直前の世論調査(3〜6日)によると、ハリス氏の支持率は47%、トランプ氏は48%と僅差でトランプ氏がリード。一方、全米の調査機関の結果を合計したものでは、ハリス氏が49%、トランプ氏が47%(10日現在)とこれも僅差だ。

はたして今回の2人の主張は、高インフレに喘ぐ若者や、気持ちを決めかねている有権者たちにどう響いたのだろうか。

津山 恵子 ジャーナリスト

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つやま けいこ / Keiko Tsuyma

東京生まれ。共同通信社経済部記者として、通信、ハイテク、メディア業界を中心に取材。2003年、ビジネスニュース特派員として、ニューヨーク勤務。 06年、ニューヨークを拠点にフリーランスに転向。08年米大統領選挙で、オバマ大統領候補を予備選挙から大統領就任まで取材し、『AERA』に執筆した。米国の経済、政治について『AERA』ほか、「ウォール・ストリート・ジャーナル日本版」「HEAPS」に執筆。著書に『モバイルシフト 「スマホ×ソーシャル」ビジネス新戦略』(アスキーメディアワークス)など。X(旧ツイッター)はこちら

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