すかいらーく「資さんうどん」買収は意外じゃない 専門店チェーンを拡充、今後の出店の武器に

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北九州のロードサイドを中心に店舗を展開。地方での集客力も強みの一つ。ぼた餅、わらび餅などの和菓子も提供する(記者撮影)

資さんうどんは、現在すかいらーくHDが持つブランドよりも低価格帯で商品を提供している点が特徴だ。例えば、かけうどんは税込み380円で、わかめうどん(同470円)やきつねうどん(同490円)、ざるうどん(同500円)など、500円以下の商品も充実している。

また、立地に関しては、郊外のロードサイドを中心に展開しており、ファミレスの居抜き物件を活用できる大型店舗の展開も可能だ。

すかいらーくHDにとって、資さんうどんは出店拡大の武器になる。グループはこれまでも、自社競合の解消に力を入れてきた。特に主力のファミレスでは自社競合による影響が大きい。

業態転換で売り上げ倍増の店も

すかいらーくHDの店舗は2024年6月末で2964店舗。うちファミレス業態(ガスト・バーミヤン・ジョナサン・夢庵)は約2000店舗。ガストだけでも1256店舗あり、自社競合が起こる地域は多く存在する。

そこで、競合している店舗をほかのブランドに変更してきた。近隣にある同じブランドの店舗やグループ内の店舗同士で顧客を奪い合う状態を解消し、各店の売り上げを向上させることが目的だ。

すかいらーくHDの金谷実社長は昨年、決算説明会で「八戸に2店舗あったガストのうち1店舗をしゃぶ葉に転換したところ、(ガスト時代と比較して)売り上げが2.4倍になった。もう1店舗のガストもカニバリが解消され、売り上げが22%上昇した」と手応えを語っていた。

多数の業態を持てば、同じ地域により多くの店舗を出店できる。ファミレスからの業態転換は、しゃぶ葉やとんから亭などの専門店に変わることが多い。今後、資さんうどんも業態転換に活用されることになる。

同一地域に多くの店舗を構えることで、配送効率が高まる面もある。すかいらーくHDは自社工場から各店舗へ配送している。店舗を集中させることで、配送コストの低減にもつながるのだ。

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