すかいらーく「資さんうどん」買収は意外じゃない 専門店チェーンを拡充、今後の出店の武器に

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ただ、買収に伴う懸念もある。買収金額の240億円は資さんうどんの規模を考えると高額だ。株式会社資さんの純資産は約24億円で、買収後には210億円程度ののれんが発生することとなる。

すかいらーくHDは2006年に、創業家や野村プリンシパル・ファイナンスによるMBO(経営陣による買収)によって非上場化、2011年にはアメリカのファンド、ベインキャピタルへ売却されている。

その際にものれんが発生しており、現在は約1400億円超に膨らんでいる。すかいらーくHDは国際会計基準を採用し、毎年ののれん償却は必要ないが、のれんの膨張は経営上のリスクでもある。

さらなるM&Aの弾みにできるか

さらに、株式会社資さんの2023年8月期は1億9800万円の最終赤字で、2024年8月期は9300万円の最終黒字を見込んでいる。利益額が小さく、投資回収に時間がかかる可能性もある。

こうした点について、すかいらーくHD側は一定期間で投資回収が十分可能との見方だ。収益力についても、現状、一時費用を除いた平常ベースのEBITDAで20億円近い収益力があると評価している。

「当社のサプライチェーンや立地開発能力を活用し、短期間で規模拡大が見込める。コスト削減も可能で、グループの既存店舗の転換候補のブランドとして活用し、全体の店舗のポートフォリオの最適化に貢献すると考えている」(担当者)

コロナ禍を乗り越え、再び成長へ舵を切ったすかいらーくHD。新中期事業計画では2024年からの3年間で3~5件のM&Aの実施を目指している。会社側が言及するように、資さんうどんを活用した業態転換を着実に進め、成功事例を積み重ねることが今後のポイントになりそうだ。

金子 弘樹 東洋経済 記者

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かねこ ひろき / Hiroki Kaneko

横浜市出身で早稲田大学政治経済学部を卒業。2023年4月東洋経済新報社入社。現在は外食業界を担当。食品ロスや排出量取引など環境問題に関心。

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