日本人逃亡犯語る「フィリピンの劣悪な獄中生活」 スマホもタバコも…刑務所では「金がすべて」
「なんとかして、ここから出たいです。ここは最悪です」
ある日本人の男(30代)が収容されていたのは、フィリピンの首都マニラ中心部から車で30分ほど南にあるパラニャーケ刑務所。収容率400%とも言われる過密で劣悪な刑務所だ。
男から送られた写真をみると、所狭しと黄色のTシャツを着た囚人がいるのがわかる。同じ部屋の中に70人以上の収容者がいたという。
すでに連絡は途絶えているが、取材当時、男は大胆にも刑務所から脱走する方法を探り、周囲に「脱走したい」「逃走資金があれば逃げられる」と必死に援助を募っていた。(ジャーナリスト・竹輪次郎)
刑務所では「金がすべて」
男は逮捕時に持っていた資金を使って、スマートフォンで周囲と連絡が取れていた。筆者もそんな中、知人を介して接触した1人だ。
男によると、刑務所では「金がすべてだ」という。それは、金がモノを言うフィリピン社会の縮図だ。
「刑務所では、金があれば、タバコもスマートフォンも手に入らないものはありません。金があれば出前も頼めます。ですが、金がないとシャワーを浴びることさえできません」