進次郎氏を「レベル低い」という人に伝えたいこと 記者からの「失礼質問」で"好感度爆上げ"の巧みさ

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確かに、森氏の発言をすべて読むと、メディアで報道されていることとだいぶ主旨が異なることも多い。一方で、メディアで叩かれやすい言動を取ってしまっていることも事実なのだが……。

最近の事例で言えば、今年7月の東京都知事選に出馬した石丸伸二氏とタレントの山崎怜奈氏のやり取りが思い出される。

山崎氏からの質問に対して「大変申し訳ないのですが、前提のくだりがまったく正しくないなというふうに感じました」と回答。山崎氏が「すみません、不勉強で……」と詫びつつ食い下がると、「それは見方が違うんじゃないでしょうか」と反論した。

このやり取りについては、石丸氏、山崎氏の両方に対して賛否の意見が見られた。

石丸氏に対して擁護する意見も多かったので、必ずしも評価を下げたとは言えないが、もう少し丁寧に対応していれば、“神対応”として評価を上げることもできたのではないかと思う。そうした対応は、石丸氏の信条やキャラクターにはそぐわないかもしれないが、政治家は「人気商売」でもあるので、「メディア受け」「メディア映え」はもう少し意識しても良かったかもしれない。

山崎氏のほうも、素直に自分の非を認めた点は良かったのだが、その後にSNSやメディアで言い訳めいた発言をしてしまったため、不要な論争を生んでしまったように見える。素直に「自分が不勉強でした。もっと勉強します」とだけ言ったほうが、好感度は高まったに違いない。

記者やメディアは敵にもなるし、味方にもなる

類似の事例で、逆に高評価を得たのが、今年4月に市川團十郎氏が「團菊祭五月大歌舞伎」の取材時に行った対応だ。

このとき、知識不足の記者から、要点が明確ではない質問を受けたが、否定する場合もおだやかな口調で対応し、質問の主旨が不明な点は情報を補足しつつ聞き返すなど、丁寧な対応を行った。この対応は、SNSでも賞賛されている。

筆者は、広告会社に勤務していたとき、広告主企業の広報・戦略PRの支援をしていたこともあるが、その際に再三聞かされていたのは、「記者やメディアは敵にもなるし、味方にもなる」「メディアを味方に付けるのが広報の役割だ」ということだ。

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