進次郎氏を「レベル低い」という人に伝えたいこと 記者からの「失礼質問」で"好感度爆上げ"の巧みさ

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記者は意地悪な質問、揚げ足取りの質問をしてくることも多いし、悪意のある記事を書くことも多い。報道内容に関して、「偏っている」「不当だ」と感じることも少なからずある。だからといって、抗議をしたり、訂正を求めたりしたところで「報道の自由」を盾に突っぱねられるだけだ。

筆者がメディア対応に関して、他に聞かされてきたこととしては、

1. 記者も人間である(理屈だけでなく、感情に訴えることも重要)
2. 本当に相手にしなければならないのは、記者ではなく、その先にいる読者や視聴者である

ということがある。

小泉議員は、先ほどのような回答を行った後に、記者の名前を尋ね、「このようなご指摘を受けたことを肝に銘じ、『あいつ、ましになったな』と思っていただけるようにしたい」と回答。

さらに、「同じようなご質問、ご意見を私は環境大臣の最初の記者会見で、ご指摘いただきました。2年間、環境大臣を務めた後、そのベテランの記者さんとは、退任の時に花束をいただく関係になりました。(質問した記者とも)そうなれればうれしいです」と語った。

このように言われてしまっては、記者の側としても、それ以上批判する気にはならないだろう。

目の前の記者ではなく、その先を見よ

2点目に関して言えば、読者や視聴者は、必ずしも記者やメディアの味方というわけではない。記者が取材相手に失礼な質問や不適切な質問をしたり、知識不足だったりすると、記者やメディアのほうが叩かれる。

現在では、多くの記者会見はネットで視聴ができるようになっている。メディアが自分に都合よく編集しても、元のやり取りをチェックすることもできる。記者やメディアも監視され、批判をされるようになった。

現代は、理不尽な質問や的外れな質問に対しても、憤ったり、反論したりすることなく、冷静かつ誠実に対応すれば、十分に評価される時代でもある。これをチャンスととらえるか否かが自身の未来を決めるだろう。

西山 守 マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授

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にしやま まもる / Mamoru Nishiyama

1971年、鳥取県生まれ。大手広告会社に19年勤務。その後、マーケティングコンサルタントとして独立。2021年4月より桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授に就任。「東洋経済オンラインアワード2023」ニューウェーブ賞受賞。テレビ出演、メディア取材多数。著書に単著『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』(宣伝会議)、共著『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』(彩流社)などがある。

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