もし月がないと「地球の環境」はどこまで過酷に? 今の3倍の速さで自転し、天候も大荒れになる
月がもしなかったら
月と地球は、互いに引力で引き合っています。この引力と、引き合いながらまわる遠心力によって、海の潮の満ち引きが起こります。もしも月がなかったとしたら、潮の満ち引きはとても小さなものになってしまうでしょう。そして海だけでなく、地球そのものが今のような生命あふれる惑星にはなり得なかった可能性もあるのです。
では、もし月がなかったら、どのような変化が起きるのでしょうか。
前にご説明したように、月は地球の自転スピードを遅くする役割を持っています。もし月がなかったとしたら、地球は1日8時間という、今の3倍の速さで自転することになってしまいます。すると地表は風がとても強くなり、天候は大荒れになるでしょう。生命が誕生できたとしても気候は安定せず、今のように豊かな地球は見られなかったはずです。
また、月は、地球の自転軸を約23.4度傾いた状態に保つ働きもあります。この傾きのおかげで、地球に春夏秋冬の四季が生まれているのです。もし月がなければ、地球の傾きは予測不能な変化を起こし、それによって大規模な気候変動が起こっているかもしれません。
もっと身近なところで考えると、満月の夜は月明かりを感じて少し明るい夜を過ごせますが、月がなければ夜は今よりずっと暗くなるはずです。
月を詠んで楽しんだり、月を眺めて寂しくなったりすることもないのです。このように、月があるからこそ、私たちはさまざまな恩恵を受けられ、地球上で穏やかに暮らせているのです。
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