もし月がないと「地球の環境」はどこまで過酷に? 今の3倍の速さで自転し、天候も大荒れになる

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月 ガリレオ
ガリレオ探査機が撮影した月(写真:NASA/JPL/USGS)

月での暮らしはどんなイメージか

地球から月までの平均距離は約38万㎞。月面に人類最初の一歩を記した「アポロ11号」は、地球を発ってから月に着くまでに4日と6時間かかりました。

月の重力は、地球上の重力の約6分の1。単純に計算すれば、体重60㎏の大人が10㎏になる計算です。しかし、重い宇宙服を着ているのと、小さすぎる重力のもとでは歩くのは決して楽ではありません。アポロ計画で月面に降り立った宇宙飛行士の映像では、何かを拾おうとしては簡単にこけてしまう様子なども見られます。宇宙飛行士たちは、月では小さく飛び跳ねるように歩いていたようです。

また月面には、地球上の砂浜の砂よりもずっと細かい月の砂「レゴリス」があります。この砂は、岩石の粒子や小天体の衝突によって生成したガラスを含む粉末などから成っています。レゴリスは、静電気によって宇宙服や観測機器などにくっつく、少々やっかいな存在でもあります。

さらに、月に太陽の光が当たる昼間の温度は110度まで上がり、一方で日が当たらなくなる夜にはマイナス170度まで下がります。昼と夜の温度差は約300度。このような温度差ができるのは、月には地球にあるような大気がほとんどないからです。大気がほとんどないため、月では真昼でも空は真っ暗です。

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