東大生が出題!「思考力」をぐんと高めるクイズ 入試問題はただ暗記したら解ける内容から変化

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これらも「データそのもの」ではなく、「なぜそういうデータが出ているのか」を問う問題であり、データだけを覚えても答えを導き出すことはできません。

「覚えれば解ける」入試問題から、「覚えていても、考えなければ解けない」入試問題へと変化してきているのです。

われわれは全国の中学・高校で、「アカデミックマインド育成講座」を実施しています。最近の入試で出題されている「思考力を問う問題」や、われわれが作ったその類題を子どもたちに解いてもらい、思考力をアップさせる授業を行っているのです。

今回は、その授業で出題している問題をご紹介しながら、思考力の身に付け方についてお話ししたいと思います。

中国が大豆の輸入量世界一なのはなぜ?

まずは、こちらの問題をご覧ください。

「2022年のデータを見ると、大豆の輸入量世界一は中国になっており、これは輸入量全体の59.4%となっている。なぜ中国が輸入量世界一なのか、答えなさい」

なんと世界で貿易されている大豆の約6割を、中国が消費しているのです。これはなぜか考えなさい、という問題ですね。

他のデータも見てみると、中国は世界で4番目に大豆の生産量が多い国でありながら、ブラジルやアルゼンチンから莫大な量の大豆を輸入しています。

「うーん、中国人が大豆を好んで食べるのかな。でも、中華料理に大豆を使った料理ってどんなのがあったかな」

と考えてしまうと、この問題は答えられません。思考力を問う問題が解けるようになるためには、そもそも、「事実」と「解釈」をしっかりと分けて考える必要があります。

例えばみなさんは、ここまで読んで、この問題は「中国人はなぜ、大豆を世界一食べるのか」という問いだと勘違いしていませんか?

実はそれは間違いです。ここまで出てきた「大豆の輸入量世界一」「世界で4番目に大豆の生産量が多い」という情報は、あくまで「輸入量」「消費量」について触れているだけです。「食べている」とは一言も書いていません。思考力を使った問題では、こうした微妙なニュアンスの違いをしっかり意識する必要があります。

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