やりっぱなし研修撲滅宣言 『人材育成担当者のための 絶対に行動定着させる技術』 

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いずれも内容は似ている。思考や心が変わること(気づき)によって行動は変わる。行動が変わって習慣になれば、性格や人格が変わる。そしてそれがその人の運命になる。

研修も参加者の考え方に気づきを与え、行動を継続的に変えるものであるべきだ。ところが研修の多くは「やりっぱなし研修」になっている。やりっぱなし研修から脱するにはどうすればよいのだろうか。

研修の目的のパラダイムシフト

本書の後半で、研修の考え方、目的、やり方、検証などのテーマが詳説されている。前提になるのは、研修の目的のパラダイムシフトだ。研修の目的を研修当日に「知識や学びを得ること」に置くから「やりっぱなし研修」になる。研修の目的は「職場で行動を定着させること」なのである。

 しかし、実践されない行動計画に基づいて実施される研修が多い。なぜ教えられたこと、習ったことが実践されないのか? それは人間が忘れる動物だからだ。ドイツの心理学者エビングハウスが研究した忘却曲線によれば、人間は1時間後に56%忘れ、1日後には74%忘れ、1カ月後には79%忘れる。

 したがって研修は、「忘れてしまう」という弱点を補完する仕組みを取り入れなくてはならないのだ。では、その仕組みとは? 続きは本書で確認いただきたい。人材育成担当者必読の1冊と言える。

(撮影:山田雄大)

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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