EVは、見た目にはガソリン車やハイブリッド車といった従来のクルマと似ているが、家や電力系統とつながる分散型電源になり得るなど、商品として分類はまったく違う。
こうした中、ユーザーがワンストップサービスとして使えるイブニオンプレイス実用性は高いと思う。
とはいえ、イブニオンが単なるポータルサイトサービスだとすると、三菱のビッグネーム3社の合弁事業としては、正直なところ物足りない印象がある。
そこで「次の一手」を窪田社長に聞くと、可能性のひとつとしてVPP(バーチャル・パワープラント)の「リソース・アグリゲーター」という表現を使って教えてくれた。
「EVと社会をつなぐ」可能性
資源エネルギー庁によると、VPPは「仮想発電所」のこと。
火力、水力、原子力など従来型発電所によるエネルギー供給システムとは異なり、需要家側のエネルギーリソースを電力システムに活用する仕組みを指す。需要家とは、サービスを受けて利用する者、つまり家庭や企業だ。
アグリゲーターについては、「電力の需給バランスを調整する司令塔」と表現している。
EV、エネファーム、定置用蓄電池など需要側の電源(リソース)を束ねて、需要家側と電力会社の間に立ち、エネルギーリソースを最大限に活用しながら、電力の需給バランスをコントロールする役目を果たす。それが、リソース・アグリゲーターである。
つまり、イブニオンは自動車メーカー、トラック・バスメーカー、同販売会社、電力会社、IT関連事業者、そして地方自治体などを結びあわせて、「EVと社会をつなぐ」可能性がある存在だと言える。
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