商事、ふそう、自動車「三菱3社」連合で戦う意味 イブニオンの「ありそうでなかった」DX戦略

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そのうえで、3社が具体的にイブニオンへとつながる共同歩調を意識し始めたのは、3年ほど前からだという。

なお、三菱自動車工業には、別の機会に取材した博報堂との合弁企業でアウトドア関連事業を手掛ける「NOYAMA(ノヤマ)」もあり、イブニオンと新規事業戦略の両輪として動く。

右がイブニオン代表取締役社長の窪田賢太氏、左が取締役の五島賢司氏(筆者撮影)
右がイブニオン代表取締役社長の窪田賢太氏、左が取締役の五島賢司氏(筆者撮影)

では、イブニオンはどんなビジネスを展開するのか。事業の柱となるのは、オンラインプラットフォームの「イブニオン・プレイス」だ。

今はまだポータルサイトでも…

ページを見ると、EVや充電に関するポータルサイトという雰囲気。8月下旬の取材時点では、公開に向けた最終版になっていない状態だったが、窪田氏と五島氏からイブニオン・プレイスの使い方の説明を受けた。

ここでは、EVや充電に関する基礎知識のほか、自分が購入するEVモデルに応じて充電器や電力プランの概要が説明され、そのうえで設備工事事業者や電力会社からの見積もりへとつながる。

想定ユーザーは、乗用車所有の個人と商用車所有の事業者。特に商用車の場合、複数所有で充電設備工事の規模が大きくなることも考えられるため、イブニオンが事業者に対して「コンシェルジュ」としてコンサルティンサービスを行う。

イブニオン・プレイスの役割を占める模式図(画像:イブニオン)
イブニオン・プレイスの役割を占める模式図(画像:イブニオン)

こうしたEV関連情報の発信や設備工事事業者を紹介するサービスは、すでに電力供給会社やベンチャーの充電インフラサービス事業者が提供しているが、イブニオンとしては自動車販売店とのつながりを強化する。

筆者はこれまで、さまざまなブランドのEV販売現場を実際に見てきたが、「EV販売のための研修を受けても、まだまだ知見が足りない」と感じている担当者が少なくなかった。中でも、充電器そのものの技術や電力プランなどについては、専門事業者まかせになりがちだ。

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