「沖縄移住に失敗する人」に決定的に足りない視点 沖縄に進出したが、なじめず帰ってしまうことも

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いかがでしょうか。自分が沖縄に進出・移住するとき、この4タイプのどれに当てはまるのか考えてみましょう。すべての本土の方々にとって沖縄が、住みよい場所であってほしいと願っています。

沖縄の人は「シメにステーキ」を食べるは本当か

このように「内地の人は」「沖縄の人は」という話をすると、差別的に感じたり、皆が皆そうではないと反論したりする人もいると思います。もちろん、すべて当てはまるものではないでしょう。沖縄においても地域によって感覚は違うと思いますし、私の感覚とは違うという方もいるでしょう。

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沖縄の「シメにステーキ」文化が民放番組で報じられたとき、その文化がない地域の沖縄の人たちが、テレビ番組が誇張しているだけと批判することもありました。しかし、ステーキ店サイドから見ると実際に以前から飲み会のあと、深夜からステーキを食べるお客様が多数いて、なかにはシメのステーキ専門店さえあるほどなのです。

つまり、沖縄に事実としてある文化なのです。「沖縄ルール」の内容が正しいか、誤っているかを論じることはナンセンスかもしれません。

なぜなら、その成り立ちを考えれば、ビジネスを行ううえで、内地の人と沖縄の人は違う価値観を持っているという前提に立って考えるほうが自然ですし、なにかにつけ成功確率が高まると思われるからです。

実際に、私がアドバイスしてきた内地の方々の沖縄定着率が高いことがそれを証明しています。内地の人と沖縄の人の価値観はさほど変わらないと考えるのには、かなり無理がありますし、その違いを理解しないままビジネスをすると、失敗とまではいかなくても、大きな機会損失を被る可能性が高くなります。

「沖縄ルール」があることを理解したうえで、沖縄の人と接していただけたら、沖縄の人にとっても内地の人に対するイメージが変わってくると思います。同じルールで向き合うことができれば、よりコミュニケーションもスムーズとなり、双方ともに精神衛生上も良くなるはずです。沖縄になじめず早々に帰っていく人が少しでも減っていきますように。移住・転勤する皆さんが、快適で楽しい沖縄ライフを満喫してくださることを願っています。

伊波 貢 沖縄進出コンサルタント

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いな みつぐ / Mitsugu Ina

ブルームーンパートナーズ株式会社代表取締役/CEO。1967年沖縄県生まれ。琉球大学経済学科卒業。沖縄県内初の証券アナリスト。株式会社コスモ証券経済研究所を経て、1996年4月に株式会社沖縄海邦銀行へ転職。
その後、株式会社海邦総研の設立に携わり、設立とともに取締役経営企画部長に就任。約11年間にわたり経営に関与する。2015年1月に独立し、現職。沖縄地域経済・産業に関する研究をフィールドワークとしつつ、国や県および、自治体からの各種調査(観光・地域資源・経済波及効果調査など)業務を受託。公的機関支援事業の各種委員、審査員を兼任。地域経済・産業活動のコメンテーターとして新聞、テレビ、ラジオなどにも出演。著書に県内でヒットした『おきなわデータ算歩』(沖縄タイムス社)。琉球王国を建国した尚巴志王の末裔。

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