トヨタとBMW、燃料電池車の共通点と相違点 「MIRAIと双子?」のプロトタイプに乗ってみた
BMWのFCVは、燃料電池スタックの上に電気モーターと補機類を搭載したRWD(後輪駆動車)であり、FWD(前輪駆動車)の「ミライ」用ユニットとは配置が異なる。水素タンクはクライオ式を採用しており、マイナス220〜230℃に冷却した水素を350バールの高圧で保存することで、7kg以上の水素を搭載できる。驚くべきは、燃料電池の効率が65%を達成している点だ。主なロスは、スタックで生じる熱、コンプレッサーやポンプなどの作動によるものだ。
試乗車は、この燃料電池ユニットとクライオ式水素タンクを組み合わせたシステムを搭載していた。アクセルを踏み込むと、甲高いコンプレッサーの音が室内に響く。もともと車重2トン超の「5シリーズGT」が、FCVプロトタイプでは約2.2トンへと増しているが、電気モーターによる駆動の特徴を生かして高い加速感を生む。
200Hpの最高出力を発揮し、燃料電池スタックの出力は「ミライ」と同等の113kWを誇る。「ミライ」は「プリウス」と似た滑らかな加速だが、BMWのFCVプロトタイプはスポーティな味付けになっている。市販についての言及はしていないが、「i8」風のスポーツカーに進化版の燃料電池スタックを搭載してテストし、その結果を反映した次世代の燃料電池車を2020年頃に発表する計画だ。
電化でも、「駆け抜ける喜び」を
続いて、充電したモーターだけで走るEVとしても、エンジンとモーターを併用するHVとしても使えるPHVに試乗した。BMWはこれまでにスポーツカー「i8」でPHVを市販しているが、今後は主力モデルにPHVを投入する方針だ。現段階で「X5」、「7シリーズ」、「3シリーズ」、「2シリーズ・アクティブ・ツアラー」にPHVの導入をアナウンスしている。
試乗した「2シリーズ・アクティブ・ツアラー eDrive」は、前方にエンジン、後方に電気モーターと分離して搭載し、「i8」とは前後逆のレイアウトを採る。1.5Lターボ付きエンジン(220HP/365Nm)を積むFWDの「218i」をベースに、リアを電気モーター(65kW/165Nm)で駆動する仕組みだ。
システム全体の出力は上級モデルの「225i」同等に向上し、燃費が2L/100kmまで低減できる。オート、スポーツ、パフォーマンス、エコプロ、セーブバッテリ、MAXeドライブの走行モードを選べる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら