ソーシャルメディアマーケティング最前線《下》--実践例に見るメディアごとの特性とブランディングに与えた影響

拡大
縮小


 リツイートされやすい投稿内容を分析したところ、サンダーバード、あるいは、時事・トレンドに関する話題が最も拡散しやすいことがわかりました。このデータを受けて、本来伝えたい「告知ネタ」とユーザーが好む「サンダーバードネタ」「時事・トレンドネタ」との投稿量バランスを調整しました。
 
 分析ツールを駆使したPDCAサイクルがうまく働き、フォロワーは11年10月現在3800人を超え、そのうち男性比率は約8割に達しました。また情報の拡散についても、フォロワーの多いユーザーにリツイートしてもらったことによって、多くのインプレッションを獲得することができました。

【YouTube】

YouTubeの目的は、キャンペーン認知を図り、オフィシャルサイトへ誘引することです。コンテンツの視聴ユーザーは、40~50代が約7割、男性も9割に達しました。ここでも、ターゲット層を確実に集客することができたといえます。

■ブランド認知にもたらした効果

協和発酵キリンが実施したブランド調査の結果では「THUNDERBIRDS Lab.」認知者における抗体医薬の認知率は、全体平均の2倍以上高い82.8%となりました。また「抗体医薬」の認知は約4%アップし、「抗体医薬」という単語からの社名想起率も業界内1位を獲得することができました。
 
 これらの結果からも、本プロジェクトが、ターゲットにおける同社のブランド認知向上に寄与したといえます。

この施策を通しては

(1)ターゲット世代に響く強力なコンテンツ(今回の場合は、「サンダーバード」というキャラクター)を中心に据えたこと

(2)各ソーシャルメディアの役割を明確にし、各メディア特性に応じたコミュニケーションを図ったこと

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT