先に遊園地に魅了されたのは、mikkoさん。幼いころからよく遊びに行った奈良ドリームランドが2006年夏に閉園することになり、最後の夏に家族で訪問した。
その際、「閉園は止められないけれど、いまある遊園地の魅力を伝えたい」と感じたことをいまも覚えているという。
大学生となったmikkoさんは、遊園地をテーマにした卒業論文を執筆し、大学院生のときには屋上遊園地の「ミニトレインのおねえさん」のアルバイトも経験。遊園地のさまざまな魅力や遊園地に関わる人たちの思いを知り、ますます夢中になっていった。
そんなmikkoさんと大学で出会い、お付き合いを始めたmilfordさん。遊園地の魅力を知るのにそれほど時間はかからなかった。
milfordさんが特に心惹かれたのは、奈良と大阪の県境にある生駒山上遊園地。ここには日本初のケーブルカーや、1929年の開園当初からある「飛行塔」がいまも現役で稼働している。飛行塔は戦時中、海軍航空隊の防空監視所として利用された歴史あるアトラクションだ。
「mikkoさんから生駒山上遊園地の飛行塔の話を聞いて、遊園地はいろんな観点で見るとこんなに楽しめるんだとわかり、私もどんどん遊園地を好きになっていきました」(milfordさん)
芸術性の高いメリーゴーランド
冒頭でも触れたように、mikkoさんは「遊園地は大人になってからが面白い」と力説する。なぜ大人も楽しめるのだろうか。
「子どものころはアトラクションしか目に入らないんですよ。でも、大人になると知識が増えて、遊園地にまつわる歴史や立地、遊具の芸術性や構造にも興味を持てるようになります。子どものころと違う、新しい観点で楽しめるようになるんです」(mikkoさん)
そう言って見せてくれたのが、2枚のメリーゴーランドの写真だ。
1枚目はルスツリゾート(北海道)にある2階建てメリーゴーランドである。
「これはドイツの木馬職人、ピーター・ペッツさんが制作したものなんです。同じ方が制作したメリーゴーランドをマイケル・ジャクソンさんも所有していました。色や模様、屋根の形、てっぺんについている飾りを見てみてください。大人も鑑賞したくなるような芸術性があると思いませんか?」(mikkoさん)
無料会員登録はこちら
ログインはこちら