どうやって、和朝食市場から顧客を取り込もうというのか。実は、同社は和朝食の定番「卵かけごはん」の代替まで考えているのだ。
まず、8月末に「フルグラ 黒豆きなこ味」を発売する予定だ。牛乳や豆乳をかけて、フルグラ黒豆きなこ味を食べるのは普通。これだけではなく、和朝食からのスイッチを促すべく、なんと「卵かけごはん」ならぬ、「卵かけフルグラ」メニューまで考えている。
すでに同社は、京都の老舗料亭「菊乃井」の主人・村田吉弘氏監修の下、フルグラきな粉味と温泉卵を混ぜた和食のセット料理を提案している。フルグラに、温泉卵、豆乳ヨーグルト、鮭フレーク、刻み海苔、いりゴマを混ぜ、これに醤油を垂らして食べる。
村田氏曰く「卵かけごはんのようなものだと思って食べてもらえれば」。和食はおいしいが、ご飯を炊き、魚を焼き、みそ汁を作って・・と手間がかかる。朝食の支度が一段としんどくなるシニア層の取り込みも狙っているのだ。
目先の主役にこだわらない
「良いものやおいしいものを作れば自動的に売れる」と考えるのは、売れないメーカーの発想だ。また、フルグラで成功する前のカルビーのように、既存のマーケットの中で一生懸命「他社との差別化」をアピールしても、その努力は消費者には届かない。
もともと秘めていた価値や魅力を、世の中にどうやって伝えるべきか。「ポジショニング転換」という手法によって、主役であるかどうかにこだわらず、マーケットそのものを拡大させたフルグラの成功は、ビジネスの面白さをわれわれに教えてくれる。
「フルグラを国民食にしていきたい」と語るカルビー。今は「脇役」のポジションだが、そう遠くない将来、「朝食の主役になる日」がやって来るかもしれない。
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