閉塞感が出まくっているフルグラに、大きな転機が訪れた。それは「ヨーグルトとのマリアージュ」だった。
朝食と言えばまっさきに浮かぶものの一つがヨーグルト。食べきりのミニカップサイズ、450グラム前後のプレーンヨーグルトなど消費者の嗜好はさまざまだが、後者のプレーンを食べる場合、ジャムやフルーツなど、何かを混ぜて食べるのが一般的だ。
「主役をやめ、脇役になった」
それがヒントだった。ヨーグルトを食べている層に、「ヨーグルトに混ぜるもの」として、フルグラを訴求できないか。「フルグラが主役ではなく、あくまで『ヨーグルトの友達としてのフルグラ』に転換したのです」(藤原氏)。
この考え方は正しかった。フルグラだけで食べてもらうのではなく、ヨーグルトと一緒に食べるというポジションを取ったことで、ついに新しい市場を切り開いたのである。「ヨーグルトとフルグラを混ぜたときの食感」や「ヨーグルトの乳酸菌とのフルグラの食物繊維の相乗効果」などなど、ヨーグルトとセットにした価値を訴えた。
フルグラのヒットも手掛けた戦略PRの専門家であるM3カンパニーの松本淳社長はこう語る。「フルグラの最大の成功要因は、ポジショニングの転換。既存市場でのシェア争いをするのではなく、別市場の大きい波にどう乗るか。ヨーグルトを食べる層を狙ったことで、競合相手は他のシリアルからジャムやフルーツに変わったのです」。
ヨーグルト等の「洋朝食市場」から顧客を取り込んだカルビーだが、「朝食市場で売上高1000億円達成」にむけて次に狙いを定めるのは、「和朝食」だ。
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