金価格の高騰にめげない田中貴金属の節約力

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ただし、金をはじめとする貴金属には値段の高さという欠点がある。そのため工業製品では、貴金属が地金のような塊として使用されることはほとんどなく、一部分にごく微量使用されるにすぎない。それでも、顧客の単価削減要求はやむことはない。ましてや貴金属価格の上昇局面では、風当たりは強くなる。

「貴金属を扱いながら、いかに貴金属を減らすかをつねに考えている」と原氏は語る。部分当たりの貴金属の使用量をできるだけ減らし、顧客の負担を軽減する。この“節約力”こそが、同社の工業製品部門における収益拡大の方程式である。

この方程式で世界トップシェアを維持している好例が、ボンディングワイヤ(以下、ワイヤ)事業である。ワイヤは、半導体の集積回路(IC)チップと、半導体パッケージの内部配線として使われるリードフレームとをつなぎ、電気を流す役目をする。同事業はグループ企業の田中電子工業が手掛け、世界シェア約4割を握る。

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