「60代以降に衰える人」が"無意識"にしていること 中高年が陥りやすい「不健全思考」とは何か

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

Fさんは、落ち込みました。あまり外に出ないようにしようと考えました。一時的に不安にも襲われ、薬も飲むようになりました。脳が防衛的に世間の人に嫌われないようにしようと考えるのは、当たり前のことです。

遠くに住む娘がその話を聞き、「そんなのはバカらしい。どんどん街を歩きなさい」と、ネクラの脳を吹き飛ばすアイデアを考えました。グレーっぽいおじさんファッションをやめ、明るい素敵な服を着るようにしました。

動物の絵がプリントされたTシャツを着て、明るい色のスニーカーを履きました。その姿で歩くと、小学生の挨拶返答率が少し高まったそうです。地域の人がどう思ったかはわかりませんが、家族の評判は上々です。

脳をネクラにしないためには、脳の環境を整え、脳の裏をかくようなアイデアが必要なのかもしれません。自分の気に入った服を着たり、自分へのご褒美に美味しいものを食べたり、マッサージへ行って気持ちよくなるのも、脳にやる気を出させる方法です。

ネガティブ思考とポジティブ思考の「違い」

ものごとをよくないほうばかりに考えることをネガティブ思考といいます。

医者に「血糖値が高くなっています。気をつけましょう」と注意されると、自分は糖尿病になるのかと、その病で苦しんでいる親族、知人を思い出します。食事は制限されるし、食事のたびにインスリンを打つ。あげくに目が見えなくなったり透析したりしている人もいるなあと、未来を暗く思い描きます。これは極端な例ですが、こういうふうに考えて落ち込むのがネガティブ思考です。

それではポジティブ思考とは、どういうものでしょう。「糖尿なんて、よくある病気じゃないか。たいていみんな糖尿だ。心配することなんかないさ」と明るく前向きに考えようとします。こういう方はけっこういらっしゃいます。明るく前向きなのですが、お酒を控えることも食事を見直すことも得意ではなく、自分流に突き進んで病気を悪化させるタイプです。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事