「60代以降に衰える人」が"無意識"にしていること 中高年が陥りやすい「不健全思考」とは何か

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①に関しては、本来は過去の失敗を繰り返さないようにという防衛本能です。あそこの山の崖には気をつけなくてはいけない、この間は狩りでしくじったが同じ失敗はしないぞというように、本来は生活を前向きにするための教訓的な防衛本能だったと思います。

現代では、後悔や失敗を思い浮かべるたびにネガティブ思考が深まっていくのが特徴です。ネガティブ思考が頭のなかでグルグルまわって、自分への教訓という考えにはいたりません。

②に関しても、未来も安全に平穏に暮らしていくための防衛本能です。台風への備え、寒さへの備え、食料の確保など安心して暮らしていくために必要な未来への準備です。未来への備えは、個人だけでなく家族や地域のためでもあります。

過剰に防衛的になっていないか

ただ、現代ではいろいろな事件のせいもあり、過剰に防衛的になっていく場合があります。情報があふれ、脳が危険信号を出す頻度が増えます。脳は基本、ネクラなので悪いほう悪いほうに考えようとします。脳はこのようにネクラになりやすいのですから、私たちも対策を考えなくてはいけません。

友人のFさんは、早期退職して悠々自適な生活をしています。日課は朝夕の散歩で、コースを変えて歩いています。小学生には「おはよう」「こんにちは」と笑って声をかけていましたが、挨拶を返してくれたのはそのうち半分ぐらいです。とくに女の子は挨拶を返してくれません。

あるとき、挨拶をしたら母親のような人が来ました。そして子どもの手をひいていくときにFさんを睨んだそうです。「自分は不審者と思われていたのか」とFさんはがっかりしました。顔がいけないのか、服装がいけないのか、と妻に相談すれば、「フツーのおじさんだけどね」と笑われます。

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