勝者なきテレビ消耗戦、巨艦パナソニックもついに陥落


米調査会社ディスプレイサーチによれば、薄型テレビの世界出荷金額の伸び率は09年を境に、急速に小さくなった。11年は前年比1・4%減の1115億ドルと、初のマイナス成長に転じる見通しだ。毎年2~3割は当たり前に価格が下落する市場。これまでは量的拡大で値下がりをこなしてきたが、もはやその余地もなくなっている。

市場成熟化に加え、過去2~3年で急騰した円が、日本製品の競争力を大きくそいだ。05年時点は世界で42%を占めていた日本企業の薄型テレビ市場シェアは現在35%近辺まで下落している。

苦境を受け、シャープは今年6月に「世界の亀山」を誇った亀山工場の大改造を発表。同工場でのテレビ用液晶パネル生産を順次縮小、代わりにスマートフォンやタブレットPC向け液晶への転換に着手している。ソニーもテレビの赤字体質を脱するため09年に台湾鴻海精密工業と提携、生産の外部委託へ舵を切った。自社のテレビ工場売却も並行して進め、現在はテレビ生産の過半がODM(設計・製造を外部に委託)だ。

膨らんだ債務超過

同業他社を鑑みれば、パナソニックの決断は遅きに失した感がある。「テレビは特別な事業。絶対に負けられない」。大坪文雄社長はこう繰り返してきた。家電最大手としての意地が決断を先延ばしにさせたのかもしれない。

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