勝者なきテレビ消耗戦、巨艦パナソニックもついに陥落

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しかし、プラズマ・液晶テレビ用パネル事業子会社の債務超過額は11年3月末で3450億円に達している。普通の会社ならば、とっくに倒産していた水準にもかかわらず、資金を注入し続けた責任は大きい。長年にわたりテレビ市場を見てきたアナリストはこう皮肉る。「テレビ拡大路線の中心に立っていた中村邦夫会長が今も会社の頂点に君臨している。軌道修正が遅れたのは、誰も彼に異を唱えられなかったからだろう」。

日本企業ばかりではない。世界首位の韓国サムスン電子も液晶パネル事業は赤字。11年1~6月期の営業赤字額は4400億ウォン(297億円)。現地紙の朝鮮日報によれば、7月に液晶ディスプレー事業部門でトップ以下の役員が全員更迭された。現在は追加の人員削減や組織改編が実施されている最中だ。

サムスンと双璧を成すLGも同じく苦戦する。液晶パネルなどのディスプレー事業は11年1~9月までの累計で7790億ウォン(525億円)もの営業損失を計上。テレビ依存を弱め、タブレットPC用など別用途を広げる事業再構築を強いられている。

急速な市場変化に直面するテレビ業界は、先の見えない消耗戦に突入している。

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(本誌:テレビ事業取材班 =週刊東洋経済2011年11月5日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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