消えたビットコイン、賠償請求はできるのか ハッキングだとしても「役員の責任が問える」

拡大
縮小
ビットコインを消失したことによって受けた損害の賠償を、カルプレス容疑者に求めることができるのだろうか(写真 : MM4 / PIXTA)

インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」の取引仲介会社「マウントゴックス」のシステムを不正に操作して、口座の現金を水増ししたとして、フランス人のマルク・カルプレス社長が私電磁的記録不正作出・同供用容疑で逮捕された。

報道によると、カルプレス容疑者は、システム内にある自身の現金口座の残高を2回にわたり改ざんし、預金残高を総額100万ドル分、水増しした疑いがもたれている。カルプレス容疑者は「コインを購入できるかどうかを確認するテストだった」として、容疑を否認しているという。

ビットコイン大量消失との関係は?

当記事は弁護士ドットコムニュース(運営:弁護士ドットコム)の提供記事です

カルプレス容疑者は、2011年からマウントゴックス社を運営し、ビットコインと現金を交換するサービスを提供していた。一時は全世界の取引の約7割のシェアを占める最大手に成長した。

しかし、2014年2月に同社は経営破たん。カルプレス容疑者は65万ビットコイン(230億円相当)がハッキングによって消失したと発表していた。

警視庁は、カルプレス容疑者の不正操作と、ビットコインの大量消失との関連も調べているという。顧客は、ビットコインを消失したことによって受けた損害の賠償を、カルプレス容疑者に求めることができるのだろうか。金融の法律問題に詳しい桑原義浩弁護士に聞いた。

「まず、確認しておきたいのは、損害賠償の請求は、基本的には会社(マウントゴックス社)に対して行うものです。カルプレス氏に対しては、役員としての責任追及(損害賠償請求)をしていくことになります」

桑原弁護士はこのように述べる。

次ページ「ハッキングのせい」だった場合は?
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT