2016年中盤には「1ドル130円」を超える 通貨ストラテジストの村田雅志氏に聞く
初心者でも為替相場の予想ができる
――今回、上梓された『名門外資系アナリストが実践している為替のルール』は為替の初心者向けにもわかりやすく書かれていますね。
本書を執筆するにあたっては、為替について詳しくない方でも、為替レートの先行きを自分なりに予想できるようになることを狙いの一つとしました。そこで本書では、まず為替の世界について、専門用語を使わず、実際の生活の中で見かける例をとりあげて説明しています。
次に、本書では、為替レートが、そもそも、どのようなメカニズムで動くのかを説明しています。為替レートが動く仕組みを理解しなければ、いくら為替レートが動く理由を説明してもスッキリと頭に入らないと思ったからです。
そして、為替レートに影響を及ぼす要因を一つ一つ解説しています。為替レートに影響を及ぼす要因は数多くあり、それらを単に羅列するだけでは、頭が混乱してしまいがちです。特に為替市場に不慣れな方にとっては、為替市場で注目される数多くの要因を頭の中で整理するのは難しく感じられるかもしれません。
そこで本書では、為替レートに影響を及ぼすと思われる要因を私独自の手法で紹介しています。具体的には、そうした要因を、「実需」、「実需期待」、「政府・中銀」、「テクニカル」の4つのグループに分け、それぞれの内容と為替レートとの関係を説明しています。
――そうしたグループ分けに基づいて、ドル円の相場見通しを説明していただけますか。
まず、ドル円という場合には、ドルに対して円がいくらで交換されるかを表すということを言っておきましょう。「ドル円が上昇する」とは、円に対してドルが強くなる、ドル高円安に動くことを指します。「ドル円が下落する」という場合は、ドル安円高になります。