2016年中盤には「1ドル130円」を超える 通貨ストラテジストの村田雅志氏に聞く

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イエレンFRB議長は上院銀行住宅都市委員会でで証言を行い、年内に利上げする方針を改めて表明した(写真:AP/アフロ)
年内にFRB(米国連邦準備制度理事会)が利上げに動くとの見通しが高まっており、為替相場にも大きな影響が出ると考えられる。そこで、このたび『名門外資系アナリストが実践している為替のルール』を上梓したブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨ストラテジスト・村田雅志氏にドル円相場の見通しと、なぜ、そう考えるのかについて、話を聞いた。同書は、初心者向けにも理解しやすいように、相場を動かす要因とそうした情報を整理して為替レートを予測する手法を解説している。

初心者でも為替相場の予想ができる

――今回、上梓された『名門外資系アナリストが実践している為替のルール』は為替の初心者向けにもわかりやすく書かれていますね。

本書を執筆するにあたっては、為替について詳しくない方でも、為替レートの先行きを自分なりに予想できるようになることを狙いの一つとしました。そこで本書では、まず為替の世界について、専門用語を使わず、実際の生活の中で見かける例をとりあげて説明しています。

村田 雅志(むらた まさし)●ブラウン・ブラザーズ・ハリマン通貨ストラテジスト、CFA 三和総合研究所(現・三菱UFJリサーチ&コンサルティング)にてエコノミスト、GCIキャピタルにてチーフ・エコノミストとして活動後、2010年より、米国で最古(1818年創業)かつ最大手のプライベート(非上場)銀行であるブラウン・ブラザーズ・ハリマンで通貨ストラテジストを務める。ドル、円だけでなく新興国通貨も含めた数多くの為替レートの見通しを国内外の機関投資家に提供。幅広い視点でのロジカルな分析で、内外から高い評価を得ている。東京工業大学卒業、コロンビア大学修士、政策研究大学院大学博士課程単位取得退学。

次に、本書では、為替レートが、そもそも、どのようなメカニズムで動くのかを説明しています。為替レートが動く仕組みを理解しなければ、いくら為替レートが動く理由を説明してもスッキリと頭に入らないと思ったからです。

そして、為替レートに影響を及ぼす要因を一つ一つ解説しています。為替レートに影響を及ぼす要因は数多くあり、それらを単に羅列するだけでは、頭が混乱してしまいがちです。特に為替市場に不慣れな方にとっては、為替市場で注目される数多くの要因を頭の中で整理するのは難しく感じられるかもしれません。

そこで本書では、為替レートに影響を及ぼすと思われる要因を私独自の手法で紹介しています。具体的には、そうした要因を、「実需」、「実需期待」、「政府・中銀」、「テクニカル」の4つのグループに分け、それぞれの内容と為替レートとの関係を説明しています。

 ――そうしたグループ分けに基づいて、ドル円の相場見通しを説明していただけますか。

まず、ドル円という場合には、ドルに対して円がいくらで交換されるかを表すということを言っておきましょう。「ドル円が上昇する」とは、円に対してドルが強くなる、ドル高円安に動くことを指します。「ドル円が下落する」という場合は、ドル安円高になります。

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