財務省の“操り人形”と化した野田政権に異議あり

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財務省が有識者を集めて07年にまとめた「国有財産の有効活用に関する報告書」などによれば、東京23区内で売却可能な国の庁舎と公務員宿舎、未利用国有地は計2兆円(売却収入見込み額)ある。

これらの売却を進めることはもちろん、公務員宿舎については、東京23区以外も含め原則、廃止・売却したらどうか。民間住宅を賃借して家賃補助する方式に変えるのである。「公務員宿舎を民間住宅に置き換えれば、不動産市場が活性化し、不動産取引に伴う税収や固定資産税収も増える」(浅羽隆史・白鴎大学教授)。

一方、消費増税に関しても、増税スケジュールを決める前にもっと議論すべきことがあるはずだ。

消費増税では、その理由である高齢化に伴う社会保障給付の増大ばかりが強調されている。ただ、そうでなくても悪化の一途をたどる日本の財政状況を考えれば、増税だけでなく社会保障給付の抑制や削減も真剣に考えるべきではないか。

たとえば、年金制度改革では、すでに受給している高齢者への支給減額もいずれ避けて通れないだろう。年金支給額の抑制・減額を図るため、04年に制度が作られながらまだ発動していない「マクロ経済スライド」は、早期に実施すべきだ。

これまで復興増税や消費増税の議論では、当然ながら財務省が政府をリードしてきた。復興財源に関して、民主党の一部には、JT株の全株売却などを盛り込んで増税額を9兆円強に抑えようとする動きもあったが、財務省が押し返し、増税額は結局11兆円強で落ち着いた。

野田首相は、政権運営の混乱を避けるため、税財政政策に関しては財務省の描くシナリオにそのまま乗っているように見える。だが、安易な増税ラッシュで大きな負担を強いられる国民はたまったものではない。

(シニアライター:柿沼茂喜 =週刊東洋経済2011年10月29日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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