財務省の“操り人形”と化した野田政権に異議あり
これを5年間に延長すれば、1兆円近い財源を上積みできる。さらに、人件費削減は地方公務員にも広げるべきだ。国家公務員の総人件費5兆円強に対し、地方公務員のそれは21兆円強(退職金などを除いた給与は約18兆円)もある。この18兆円から、仮に国家公務員と同じ平均7・8%を削減すれば、年間1・4兆円を捻出できる。削減率を6~7%に引き下げ、被災地を除外しても、年間1兆円前後、今後5年間で5兆円程度を確保できるのだ。
国が直接、地方公務員の給与を削減できるのかという制度的な問題はあるものの、井堀利宏・東京大学教授は、「国が地方に人件費削減をお願いし、削減率に見合うように地方交付税を減らせばいい」と言う。
もちろん、公務員人件費を削減する場合には、国会議員や地方議会議員も含まれる。ちなみに、国会議員については、今年4~9月の間、ひと月130万円の給与を50万円削減した。この特例措置を延長すべきことは言うまでもない。
以上により、今後5年間で農業戸別所得補償の半減で2兆円、公務員人件費削減で5兆~6兆円、合計7兆~8兆円を捻出できる計算だ。
公務員宿舎は全廃を
隠れた財源はまだある。
野田首相は10月3日、着工直後だった埼玉県朝霞市の公務員宿舎の5年間建設凍結を決めた。だが、凍結では、将来、建設が再開される可能性がある。ならばいっそのこと、中止としたらどうか。違約金を払ってでも、それ以上の売却益が見込めるのなら用地を売却すべきだ。