綱渡りのLNG調達、相次ぐ原発停止で需要が急増


長契外の取引の場合、多くは「スポット」と呼ぶ随時の小口調達手段を利用する。長契では20年以上の契約を結び、その間決まった量を安定的に確保できるのに対して、スポットはあくまで短期的な需要の調整手段だ。長契価格は、LNG開発生産事業者と需要家間で事前に決めた、原油連動の特殊な計算式によって決まる。対して、スポット価格は純粋な需給で変動する。

実はリーマンショック後、世界的な経済停滞でLNG需要も縮小したため、スポット価格は安値で推移していた。ところが、震災前に100万BTU(英国熱量単位)当たり10ドル前後だったアジア地域向けのスポット価格は、春先以降ジリジリと上昇。足元では16ドル台にまで上がっている。

スポットの場合、短期的な需給逼迫により、価格がハネ上がる。加えて、必要な量をつねに確保できる保証もない。「来月、再来月の必要量を、つねにスポットで確保し続けるのはリスクがある」と、東電の小泉俊彰・燃料部LNG調達・投資戦略グループマネージャーは話す。そのため、東電はスポットによる調達を極力避けて、これまでになかった1年未満の短期契約を結んだ。

日本の窮地を救った 米「シェールガス革命」

これまでのところ、電力各社は必要な量のLNGを調達できている。それには米国の「シェールガス革命」の果たした役割が大きい。

シェールガスは、地下深くにある固い頁岩(けつがん)層の中に閉じ込められた天然ガス。技術やコストの問題でかつては商業生産が難しかったが、水圧を利用して効率よく取り出す技術が確立され、米国では00年代後半から産出量が急増。ロシアを抜いて天然ガスの最大産出国に返り咲く原動力ともなった。

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