綱渡りのLNG調達、相次ぐ原発停止で需要が急増

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天然ガス消費量のほとんどを海外からのLNG輸入に頼る日本は、世界最大のLNG輸入国。国内ではガス会社よりも電力会社が発電用に使う量が多い(グラフ)。近年は都市ガス用途も増え、LNGの輸入量は右肩上がりに増加してきた。

昨年は猛暑の影響もあって輸入量は過去最高の7000万トンに達した。しかし、今年はこれをはるかにしのぐ勢いで需要が伸びており、「8000万トン前後になるだろう」と、伊藤忠商事の前田晴夫・天然ガス事業開発部LNGトレード課長は見る。09年と比べると1500万トン超も増える計算になる。



 問題は、想定になかったLNG需要の急増だ。LNGはその特性上、長期契約が大半。需要がその契約量を超えた場合、追加分はその都度調達する必要がある。

長期契約量を超えたLNG購入が急増

東電の場合、年間の長期契約量は約1850万トン。過去最高となった昨年でさえ調達量は2100万トン弱に収まった。だが、今年度は約2400万トンになる見通し。長契で賄えない量は600万トン弱まで拡大、それを別途確保しないといけない。中部電力でも今年度は、昨年度(1044万トン)を超える1240万トン以上の調達を見込んでいるが、増加分のほとんどは長契外での調達を余儀なくされるという。

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