トヨタがHV戦略加速へ中国で開発拠点新設
トヨタ自動車は10月22日、中国の江蘇省常熟市で研究開発拠点「トヨタ自動車研究開発センター(中国)」の定礎式を行った。式典には豊田章男・トヨタ自動車社長のほか、同社の技術部門のトップである内山田竹志副社長、中国事業を統括する新美篤志副社長が出席。また、トヨタと中国で合弁を組む第一汽車、広州汽車の代表者も参列した。
この拠点には、第一汽車、広州汽車との合弁会社の開発部門と連携しつつ、中国で発売される自動車の開発を担うことが期待されている。現状では更地の状態だが、研究棟やテストコースなど主要設備を13年までに完成させ、中国で生産するクルマのエンジン適合試験などを行う見通し。将来的には、要素技術の開発は常熟で、車両本体の開発は合弁会社の開発部門で、という役割分担を図る。
また、この敷地内には「省エネルギー・新エネルギー車技術センター」を設置。次世代環境車の現地生産化に向けた開発拠点とする。トヨタは13年に家庭で充電可能なプラグインハイブリッド車や電気自動車(EV)を中国で発売する予定だが、販売が伸び悩んでいるハイブリッド車(HV)についてもハイブリッドシステムの現地生産化によって普及を加速させる考えだ。モーターなどの基幹部品についても現地生産化を前提にしており、常熟では、そのための合弁相手や部品会社との摺り合わせなどを行う。
22日に豊田社長は、「中国産の基幹部品を積んだ車を15年前後に現地生産する」と言明した。トヨタでは、日本で14年にも投入する次期「プリウス」ではHVシステムをコスト、サイズとも半分以下に縮小させることを目指している。さらに現地生産化によって価格を下げることでHVの販売を飛躍的に拡大させ、世界最大市場となった中国でのトヨタの地位を高める戦略と見られる。
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